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乳がんとは

はじめに

女性がかかるがんの中で多いのが乳ガンです。
年々増加しており、15人に1人の割合にかかっているというデータがあります。世界的にも増加の傾向にあり、ヨーロッパやアメリカの白人、次に黒人、日本人を含む東アジアでは、それよりも少ないものの増加傾向にあります。また、日本人でもアメリカに在住している人は高い傾向にあります。

アメリカでは、8人に1人の割合とのデータもありますが、マンモグラフィ検査の普及とともに、死亡率は下降しています。 乳がんは、早期に発見して適切な治療を受ければ、経過はよく、完治に可能性 は高めです。 年齢別にみると、30代から増え、50歳前後がピークで、その後は減少の傾向があります。

乳がんとは

成人女性の乳房は、母乳を分泌する乳腺、脂肪、血管、神経などで構成されており、乳腺は乳頭中心に放射状に15~20個並んでいます。乳腺はたくさんの粒が集まった腺房、腺房の集まった小葉に分かれ、小葉から乳頭までは乳管が通っています。

この乳管から発生する乳管がんが、乳がんの90%で、小葉から発生する、小葉がんが5~10%です。乳管がん、小葉がんは、乳がん組織を顕微鏡で検査すると区別がつきます。もっとも発生しやすいのは、乳房の外側のわきの下、次に乳頭の内側の鎖骨の近くになります。

乳がんは、しこりにもならない小さなうちから、乳腺からこぼれ、リンパや血液に乗って転移することが多く、肺、肝臓、骨などに転移巣をつくると考えられています。たとえば肺に遠隔転移したがんは、肺がんとは性質が異なり転移性乳がんと言われます。
手術など初期治療後に再発した場合は、再発性がんと言われます。

検診について

自己検診

乳がんは自分で気づくことのできるがんのひとつです。
月に1度は、自己検診を行い、乳房に変化を感じた場合は精密検査を受けて下さい。
【方法 】
1 生理が終わった後1週間くらいの間に行う。
2 鏡を見て、リラックスして、腕を自然に下げた姿勢と、腕を上げた姿勢で、それぞれ、観察します。
・左右の大きさの違いや、変形がないか
・皮膚や乳頭にへこみやひきつれがないか、乳頭にただれなどがないか
・乳頭から血や分泌物が出ていないか
3 仰向けに寝て背中に外側に低い枕を敷いて、乳房の外側から内側、わきの下を、指でまんべんなく、しこりがないかチェックします。

マンモグラフィ検診

日本では1987年から視触診による乳ガン検査がはじまりましたが、死亡率を減らすことはできませんでした。それに対し、乳房のX線検査であるマンモグラフィは触診で見つけにくい、しこりになる前の早期がんを見つけられる可能性があります。ただし、若い人の場合、乳腺が発達しているため、異常がわかりにくいことから、現在は、マンモグラフィ検診は40歳以上の人が対象となっています。

超音波検査(エコー検査)

マンモグラフィでは乳腺もがんも白くX線写真に写るため、閉経前で乳腺が密な若い人は白い部分が多くなり、乳がんを見つけることがむずかし場合がありますが、超音波検査では、乳腺は白く、乳がんは黒く写るため、若い人も発見しやすいと利点があります。